~源氏物語54帖に生きるヒントを学ぶ~|NIPPON NOWコラム日本の伝統行事。季節の風物詩、旬のものや地域を伝える。NIPPON NOW

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日本文化考察

2017.08.18 update

~源氏物語54帖に生きるヒントを学ぶ~

1千年前にタイムスリップ

平安時代に紫式部の手によって書かれた源氏物語は、一千年の時を経て今なお多くの人に読み続けられています。
「いづれの御時にか女御、更衣あまたさぶらいたまひける」ではじまる源氏物語は、一人の天皇に多くの妃が関わりあっている状況が書かれています。
当時の一夫多妻制の理由を知ることで、源氏物語が色恋の物語ではないことに気づかされます。

平安時代の政治について

源氏物語が書かれた平安時代は、摂政関白時代です。
この時代は、摂政や関白が天皇の後見役として大きな権力を握っていました。
少しでも優位な座につくためには、娘を天皇もしくは皇太子に嫁がせるのが一番の近道でした。
そのため、天皇や皇太子は好むと好まざるに関わらず、多くの妃を持つこととなりました。
紫式部は、光源氏というフィルターを通して様々な人間像を書いていますが、それぞれの巻が、現代を生きる人々にもヒントになります。

1 桐壺

源氏物語は「桐壺」から始まります。
桐壺とは、桐の木が植えてある庭という意味です。
その御殿に住む帝のお妃が、光源氏のお母さんの桐壺更衣です。
桐壺更衣は、抜きん出て帝の寵愛を受けていたがために他のお妃からねたまれ、それがもとで病に臥せり、まだいじらしい三歳の若君を残して亡くなってしまいます。

・壮絶ないじめにあった桐壺更衣
桐壺更衣は身分が低かったために、桐壺の帝の部屋から一番遠い部屋に住んでいました。
そのため夜に帝から呼ばれると、数々の更衣たちが住む部屋の前の長い廊下を通って帝のもとへたどり着かねばなりませんでした。
廊下には糞尿がまかれるなど、さまざまな嫌がらせがしかけられていたと言います。

・義母、藤壺に思いを寄せる光源氏
桐壺更衣が亡くなった後、藤壺が桐壺帝にみそめられて入内したのが、光源氏が十一歳の時でした。
母の桐壺更衣にあまりにも似た美しい女性で、光源氏の初恋の人となります。
その後、光源氏はこの義母、藤壺と関係を持ち、生涯を通じて藤壺の面影を追い求めることになります。

桐壺帝をあざむく形で、義理の母である藤壺は源氏との間に冷泉帝を産みますが、すべての思いを我が胸に秘め、その後源氏を一切寄せつけず、桐壺帝亡き後二十四歳で出家してしまいます。

なぜ紫式部は物語のはじめに桐の木を登場させたのか?

桐の木には鳳凰(ほうおう)が棲み着くと言われます。
作者の紫式部は物語のはじめに、桐の木と鳳凰を連想させて品格を漂わせ、文章中に一貫して自然の色や香り取り入れています。

桐の木は、昔から女の子が生まれると庭の片隅に植えられ、娘の成長とともに育った桐の木を用いて嫁入り家具などを作り、嫁がせたようです。
最近では庭に桐の木を植えている家は見かけなくなりましたが、薄紫の桐の花は今も初夏の山々を飾っています。

舞台は京都御所

源氏物語の雰囲気を味わうには、京都御所を訪れると当時の様子がしのばれます。
たび重なる火災で焼け落ちたものの、紫宸殿、清涼殿、飛香舎など王朝様式を忠実に守って再現されています。
京都御所の公開は平成28年より申し込み不要で、通年公開されています。

2 帚木(ははきぎ)

この巻きは、物語の中ではアクセント的なお話しとも言えます。

五月雨の夜、十七歳になった源氏のもとに、頭中将(とうのちゅうじょう)が訪ねてきました。
そこに左馬の頭(さまのかみ)、藤式部の丞(とうしきぶのじょう)を交えて四人で女性談義「雨夜の品定め」に花を咲かせます。
頭中将は中流の女性が一番よいといったことから、源氏はひそかに中流階級の空蝉に興味を抱きます。

平安貴族の男たちは面白おかしく、「優しくて情のある女は浮気性」とか「まじめな女は野暮ったくて面白みがない」とか、女性について語っていたようです。
千年以上も前から、現代とさして変わりのない女性の品定めをしていたようです。

さて、ほうきの木と書く帚木(ははきぎ)は、秋に緋色に染まった枝が一メートル近くにもなるほうき草のことではないかという説と、遠くから見るとほうきのようにも見えるが、近寄るとその姿が見えなくなる幻の木とする説があります。

光源氏たちが女性論を交わした場所は、御所の清涼殿の淑景舎(しげいしゃ)と言われています。機会があれば京都御所を訪ねて、千年前に身を置いてみるのも良いかと思います。

現代男性の理想の女性と平安時代の理想の女性について

ちなみに、現代を生きる20代から30代の男性の理想の女性像は、家庭的な人だそうで、マザコン的なところが見え隠れします。
1千年前の光源氏が実の母桐壺更衣に似た藤壺に惹かれ、その後も年上の女性ばかりに思いを寄せるのは、明らかにマザコンといえますが、1千年後も変わっていないようです。
また、現代の未婚男性は気配りができる女性にも惹かれるようです。
光源氏も後に家事にたけた年上の花散里に惹かれますが、絶対的な信頼を置き、他の姫君との間の子どもの養育をゆだねます。

まとめ

源氏物語の原文を読み解くことはもちろん意味があることですが、源氏物語に書かれている場所を訪ねたり、登場するお花を調べたり、当時の食事を再現したりと自分なりに興味のあることに関わって見ませんか。
簡単に1千年前にタイムスリップすることができます。

名称

源氏物語

著者

紫式部(むらさきしきぶ)

執筆時期

平安時代中期

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知っているようで知らなかったことを再確認。 日本の見逃していた・埋もれた情報を紹介して、日本の魅力を再発見するお手伝いをします。 きっと日本が好きになる!

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掲載情報は2017年8月18日の更新時の情報となります。
公開時と掲載内容が異なる場合がありますので、詳細につきましては直接お問い合わせください。

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