春の氣立つを以て也
降りそそぐ太陽の光やあたりにただよう空氣の中に春の氣配も感じられるようになってきます。 この日から立夏の前日までが暦の上での春ですが、実際の氣候ではこの頃はまだ寒さは最も厳しい頃です。
旬の草花
キク科のしおんは2m近くもなる背丈の高い花ですが、薄紫の花は野菊のように可憐です。
その花の色から紫苑の名がついたとも言われ、晩秋に趣をそえる花です。
漢方では、根や根茎を去痰や利尿の薬として用いられます。
日本では観賞用として平安時代から栽培されており、「思い草」「鬼の醜草(オニノコシクサ)と呼ばれていたようで、今昔物語にも登場します。
また、十五夜のお月見頃開花するのでジュウゴヤソウと呼ぶ地方もあるようです。
中国地方や九州地方の一部では野生品種が生育しているようですが、絶滅危惧に登録されています。