春雨降りて、百穀を生化すれば也
穀雨とは『五穀を潤す雨が降る』と言う意味です。春の暖かい雨が降って穀物の芽が伸びてくる頃、たんぼや畑の土は雨を吸って黒々とした肌に変わってきます。どことなく生き生きした情景です。農家にとっては、種蒔きの適期です。
初候
蚕(かいこ)が桑の葉を盛んに食べて、成長する時候です。
昔から身近な存在の蚕ですが、古くは『日本書紀』にもその名前がみられ、戦前までは農家の約4割が養蚕に携わっていたようです。
皇居の敷地内には養蚕場があり、毎年春になると皇后陛下が蚕の世話を始められるそうです。
天皇陛下は稲を育て、皇后陛下は蚕を育てられる。昔から変わらず続けられてきたことなのだと思います。